両社のソリューションと知見を活かした支援策

スタートアップ企業におけるサービスや製品は、その新規性のために受入れられにくいケースも多い。また、企業として伝えたい思いを整理しきれておらず、メッセージや価値そのものが十分に理解されないといったケースもある。そこで電通とベクトルは、協業してスタートアップ企業に対する支援プログラムを提供すると決定した。

支援プログラム「Rapid Socializing」は、両社における各専門領域のソリューションを掛けあわせたもので、スタートアップ企業の事業成長を加速させるエンジンとなる「企業ブランドの早期確立」および、そのブランドに基づく継続的コミュニケーションをサポートする。

本プログラムでは、スタートアップ1社につき、電通のクリエーティブ・ディレクターを1名任命。経営哲学や存在意義を社会に広くコミュニケートし、社会的認知の獲得をねらった施策を実施する。具体的には、クリエーティブ・ディレクターとCEOとの対話により、「サービスやプロダクトの価値」と「企業のミッションやビジョン」の言語化、「ステートメントの策定」などを行う。さらに、その哲学や存在意義に基づくコミュニケーション施策により、認知向上および継続的ブランド構築も実践していくという。また、クリエーティブディレクションの下、ベクトルがPRコミュニケーションの立案と実施に参画するほか、バックオフィスや営業活動支援なども行っていく考えだ。

両社は本プログラムを通じ、新しい価値やサービスを提供するスタートアップ企業が、事業成長に集中できる環境の整備を目指すとしている。

企業ブランドの確立は、事業全体の成長を促す起爆剤となるだろう。新たなアイデアを持つスタートアップ企業を、豊富なノウハウを持つ企業がサポートすることで、どのような価値が生まれるか今後に注目したい。