アパレル商材の入出庫・棚卸を一括処理するRFIDシステム導入 ICタグ活用で倉庫の検品業務を最大約6分の1に削減

オカベマーキングシステムは、婦人服・服飾雑貨などの販売・企画と自社アパレルショップを展開するフクダの本社物流倉庫に「RFIDタグ(ICタグ)を活用したアパレル商材の入出庫・棚卸管理システム」を提供。それにより、作業時間・人員を最大で約6分の1に削減させた。

フクダでは、本社物流倉庫に納品された商品タグのバーコードをスキャンして、数量入力、入荷予定リストと照合するため、検品に時間がかかっていた。

また、入庫処理が停滞し、在庫計上がスムーズに進まないという在庫管理の問題や、倉庫内の一時保管場所不足によって、入荷商品の場所が拡散、出荷作業時の動線が煩雑になり出庫処理の遅延につながる懸念もあった。

出庫時も店舗別の出荷検品に入庫と同様の手間がかかり、店舗数が増えるにつれて倉庫内の検品業務は増加。一方で、店舗では閉店後に検品作業していたため、棚卸のたびに残業時間が発生していた。

RFIDシステム導入後の具体的な成果は大きく下記の4つとなる。


(1)本社物流倉庫の入庫・出庫・棚卸で一括検品が可能に
ラケットタイプのRFIDハンディリーダーをかざすだけで入出庫検品が可能に。読み取ったデータはWi-FiでRFIDシステムに送信され、倉庫内のPCで入庫予定数と照合結果を表示する。作業者はバッテリーを内蔵したリュックを背負い、固定式やゲート式で行うよりもフレキシブルに作業ができる。なお、連続稼働は約4時間。

(2)入出庫処理と棚卸にかかる本社物流倉庫の業務時間を大幅に削減
「バーコードタグ」から「RFIDタグ」に変わることで、検品に掛かる作業時間・人員は、入庫では約3分の1に、出庫では4分の1に、そして棚卸では約6分の1に削減した。

また、入庫実績を速やかにシステムへ送信可能になったため、入荷検品済み商品の棚入れがスムーズになり、荷物の停滞や拡散も解消。全国30以上の店舗別にピッキングした商品の出荷検品が、リーダーをかざすだけで済み、出庫処理がスムーズになった。

さらに、返品実績のデータと連携することで、店舗から倉庫へ返送された商品を確実に管理できるようになった。


(3)基幹システムと連携したRFID値札ラベルの発行が可能に
検品時にRFIDタグの不良が見つかった場合も、倉庫内で速やかに代わりのRFIDラベルを印刷・エンコードできるようになった。基幹システムの商品マスタから値札情報と連動して発行するため、入力作業は不要。発行された値札ラベルの貼り付け作業のみで完了する。

(4)店舗での棚卸も一括検品が可能に
業務用のAndroid端末を搭載したRFIDハンディリーダーをかざすだけで検品でき、在庫数の結果は、その都度、インターネット経由でシステムに反映される。これにより従来、閉店後に行っていた棚卸が営業時間内に終わり、残業時間が削減されるとともに、倉庫と店舗でタイムラグの少ない正確な在庫管理を実現した。

物流倉庫での大幅な業務効率化は、将来的な店舗数増加による業務負荷の増大にも対応できるため、同システムは今後、在庫管理や販売管理分野においてさらなる注目を集めていきそうだ。

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