消費者のニーズを捉える上で、市場調査は欠かせません。収集されたデータは、商品開発や価格の設定、販売予測など、企業が重要な意思決定を行う上での判断材料となります。ではこの市場調査は、実際にどの程度の頻度で、どのような形で行われているのでしょうか。また、実施するにあたって、どのくらいの予算が組まれているのでしょうか。PRO-Q会員の所属企業で行われている市場調査の頻度、方法、予算について、2018年12月11日～2019年１月８日までアンケート調査を行いました。

全体の約４割が、市場調査を年１回程度実施

まず市場調査の頻度を知るべく、『あなたの会社では、アンケートによる市場調査（定量調査）を年に何回程度行っていますか？』と質問しました。全体のトップは「年に１回程度」（42％）で、以下「回数ではなく年間を通じて調査し続けている」（29％）、「年に２～３回程度」（24％）と続きます。これを従業員数別に見ると、1000名以上の企業では「回数ではなく年間を通じて調査し続けている」が39％と最も多く、それ以下の規模の企業では、「年に1回程度」が最多でした。規模の大きい企業は年間を通じて市場のニーズを追い、事業に活かしているようです。

方法は「インターネット調査」と「その他」が３割強を占める

次に、実際に行われている調査方法を調べてみました。『主に利用している定量調査の方法を教えてください』との質問に対して、全体で最も回答が多かったのは「インターネット調査」（34％）と「その他」（34％）で、続いて「郵送調査」（16％）、「会場調査（自社セミナーを含む）」（13％）となっています。今回のアンケートは、選択肢が定量調査主体でした。そのため、インタビュー調査や行動観察調査などの定性調査は「その他」に含まれます。今回のアンケートでは、これら定性調査を行う企業が多かったようです。

市場調査の予算は100万円未満が約７割、従業員数の多い企業は予算も大きい

市場調査にかける予算がどのくらいなのか調べたところ、回答全体のトップは「100万円未満」(66％)で、以下「100万円以上、500万円未満」（19％）、「500万円以上、1000万円未満」（８％）という結果でした。従業員数別に見てみると、300～1000名未満および300名未満の企業では「100万円未満」の回答割合が最も多くなっていますが、1000名以上の企業では、「100万円以上、500万円未満」が39％を占め最多です。従業員数が多く経営資源が豊富な企業になると、市場調査もそれだけ予算を多く設定し、大規模に行われていることがわかります。

最後に、市場へのアンケート調査を行う上で最も困ることについて、自由に回答してもらいました。以下にその内容を抜粋して紹介します。

【調査における問題】

• アンケートと実施する母集団の獲得と選定（従業員数：300名未満、マスコミ・コンサル）
• 来場者数（従業員数：300名未満、サービス）
• 精度，正確性（従業員数：300名未満、サービス）

【調査を行う際のポイント】

• 恣意性ある回答をいかにさけるか（従業員数：300～1000名未満、サービス）
• 顧客の絞り込み。どの世代のどんな事を必要としている人で、男、女なのか？それ以外の人なのかですね。（従業員数：300名未満、サービス）

【調査を行っていない】

• 統計データ等を購入しており、アンケートを直接行うことは少ない。（従業員数：300～1000名未満、商社・流通）
• もともと弊社は創業以来45年間、営業部がない企業であり、市場調査は銀行、取引先から得る場合が多く、ノウハウを持っていない。（従業員数：300名未満、メーカー）

【調査概要】 アンケート名称：「市場調査」に関するアンケート
調査主体：PRO-Q編集部（ProFuture株式会社）
調査期間：2018年12月11日～2019年１月８日
調査媒体：アンケートメディア 営業PRO-Q

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