産学連携でビッグデータを研究活用し、新しい社会価値の創造と人材育成を推進。「横浜市立大学・マクロミル データサイエンス共同研究室」2019年4月に設立
株式会社マクロミルと公立大学法人横浜市立大学は、2019年4月に「横浜市立大学・マクロミル データサイエンス共同研究室(以下、共同研究室)」を設立する。
共同研究室はマクロミル社内に設置。データサイエンスに関わる研究活動に学術的な視点から取り組み、中長期的なマーケティングビジネスの拡大に資する成果獲得を目指すという。同時に、学術的研究から社会実装までを俯瞰できる人材を育成し、研究成果を社会へ還元することを目的としている。なお、期間は2019年4月より当初4年間。
マクロミルと横浜市立大学は、2018年7月にデータサイエンス分野で既に「産学連携に関する基本協定書」を締結しており、本共同研究室設立はその取り組みの1つ。
こうした背景には、昨今、日本企業のマーケティング活動において、ビッグデータをはじめとする多種多様なデータに対する統合分析や、生活者インサイトに迫る統計分析、また複数国にわたって同時並行的に行うマーケティングリサーチのニーズが、年々高まっていることがある。
それらのニーズに応える形で、国内外でマーケティングリサーチ事業を展開するマクロミルと、首都圏で唯一データサイエンス学部を持つ横浜市立大学は、データサイエンス分野の共同研究を通じて、マーケティング領域における新たなビジネス・社会的価値の創造をリードしていくことに合意した。
両者の目的は、「研究開発」と「人材育成」において強固な連携を深め、その成果を社会に還元すること。双方のデータサイエンス人材による研究環境を整備し、マクロミルが保有する多種多様なデータを活用した学術的な理論の有効性を検証・研究し、その成果を学会報告・論文発表・公開セミナーなどを通じて公表していく。
またそれと並行し、これらの人的・物的資源やノウハウの相乗効果を加速させ、企業が有する莫大なビッグデータの利活用を促進し、日本企業のマーケティング活動の活性化・有効化をはじめ、新しい社会価値の創造を図っていくのだという。
株式会社マクロミル 代表執行役副社長 日本担当 佐々木徹氏は、次のようにコメントしている。
「グローバル化、デジタル化を背景に、日本企業のマーケティングが変化しており、調査会社に求められるニーズも変化しております。本連携は、両者のノウハウを結集し、不足するデータサイエンス人材の育成や、企業の有する莫大なビッグデータの実践的な応用を促す研究を通じ、マーケティングリサーチ分野の可能性を拡大し、産業界への貢献及び活性化に繋がると信じております。」
公立大学法人横浜市立大学理事長 二見良之氏は、次のようにコメントしている。
「データサイエンス分野において新たな知見を社会実装し、イノベーションを引き起こすためには、現実の社会ニーズを熟知している企業との協働は不可欠です。今回の連携により、本学がアカデミックに追究する研究手法に、企業のスピード感や技術、知恵が合わさることで、基礎研究や人材育成が相乗的に推進されるものと確信しています。社会課題の解決に向け、強力な連携体制のもと両者一丸となって取り組む所存です。」
(参考)
<主な研究テーマ >
・欠損データの統計分析
物理的・コスト的に完全に網羅することが困難なデータを、統計技術によって補い、データ活用のシーンを拡大する。
・データ等価方法の研究
感覚的・主観的に解釈するにとどまっていた複数国にまたがる調査結果を、統計理論に基づいて調整することで、グローバルマーケティングの可能性を拡げる。
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