小売店の売り場改善や販促支援を手掛けるソフトブレーン・フィールドは、同社が独自に収集するドラッグストアチェーン上場10社（2018年決算売上高上位10社をセレクト）のレシートデータ約13.2万枚（調査期間17年７月～18年８月）をもとに、消費者の買い物行動を分析。その結果をまとめ、公表した。
レポートでは、ドラッグストアチェーン上場10社で、販売されたアイテムのカテゴリ構成を取り上げている。図表1は10社すべての構成比を棒グラフで示し、図表2は「ウエルシアHD」「マツモトキヨシHD」「コスモス薬局」を抜粋し、レーダーチャートにしている。

食品の構成比が高い上位３社は、「コスモス薬局（44.8％）」、「クリエイトSD HD（33.6％）」、「クスリのアオキHD（32.8％）」。中でも「コスモス薬局」は、半数近くが食品で構成されている。　

医薬品や美容・健康の構成比が高い上位３社は、「マツモトキヨシHD（39.2％）」「ココカラファイン（36.2％）」、「スギHD（31.6％）」となった。

ドラッグストアチェーンは、食品構成比を高めにすることで、日常使いを目的に来店回数を維持するチェーンと、化粧品や医薬品を高めにすることで粗利益率を高く維持するチェーンに分けられると言われており、それを示す結果であった。

曜日ポイントアップデーや割引などのキャンペーンは、集客に寄与しているのだろうか。ここでは、曜日ポイントアップデーを実施している「ウエルシアHD」（月曜にポイント2倍）、「スギHD」（週末の金～日にポイント5倍や10倍）、「カワチ薬局」（月曜と月末金曜に10％割引、火・木・日に冷凍食品半額）の3社に絞り、曜日ごとのレシート枚数（図表3）を、コメントとともに結果を紹介している。

それぞれのキャンペーン内容、レシート投稿枚数、寄せられたコメントをまとめると、以下の通り。（※キャンペーン内容は独自調査につき、現在と異なる場合あり。）

▼ウエルシアHD

• キャンペーン
　毎週月曜日にポイント２倍を実施。

• レシート投稿枚数推移
　月曜日の購入レシート枚数がもっとも多く21.4%。他曜日より10ポイント近く購入レシートが伸びている。

• コメント
　「購入した店舗では毎週月曜日がお買い得で、ほぼ毎週スパークユンケル(10本パック)を購入（40代男性）」

▼スギHD

• キャンペーン
　週末の金～日曜日もしくは、土・日曜日でポイント５倍や10倍を実施。

• レシート投稿枚数推移
　金〜土曜にかけて購入されたレシート枚数が伸び、日曜で21.3%のピークを迎えていることが分かる。

• コメント
　「ポイント5倍デーだったので、家にあるティッシュのストック用に購入（30代女性）」

▼カワチ薬品

• キャンペーン
　毎週月曜日10％OFF、毎月最終金曜は10％OFF、火・木・日に冷凍食品半額を実施。

• レシート投稿枚数推移
　火曜日のレシート枚数が16.2％で最も多く、そこへ金曜が15.8％で続く。各曜日で大きな差はないが、キャンペーン実施曜日に購入されたレシートが多いことが分かる。

• コメント
　「カワチでは1週間単位で10％の割引をしているのを知っており、育毛トニックを購入（40代男性）」

上記の分析結果から、各社のキャンペーンによって、まとめ買いや高額商品の購入など、消費者の購買行動に影響を与えていることが分かった。

またコメントでは、ドラッグストアでの買い物行動について、「近所のスーパーよりも安いので、お酒はドラッグストアで購入している」や、「毎日食べるヨーグルトの品揃えがよい」など、近隣スーパーに対抗した価格や品揃えのよさを挙げるものが多く見られた。